柳宗悦と民藝運動の巨匠たち
高山市の日下部民芸館で開館50周年記念展【柳宗悦と民藝運動の巨匠たち】が8月20日~9月30日まで開催されます!
20日は日本民藝館より学芸部長の杉山さんがお越しになり記念公演【柳宗悦と心の友】
9月10日には森林文化アカデミーの久津輪さんの公演【ゴッホの椅子と皇居の椅子~黒田辰秋の椅子づくり】が開催されます。
飛騨でこのような大きな民藝の企画展が開催される機会はそうそうありません。
みなさま是非足をお運びください!
日下部民芸館の開館の際には濱田庄司・バーナードリーチも飛騨に来られております。
黒田辰秋は皇居に納める椅子の製作を日下部民芸館の蔵で製作されました。
辰秋さんの京都の御自宅は飛騨から移築されたものでしたし、河井寛次郎記念館も飛騨の家を参考に建てられたとうかがっています。
飛騨で一番大きな家具メーカー【飛騨産業】では柳宗理デザインの椅子とテーブルが製造され、北海道民芸家具はライセンスを取得され現在も製造されています。
他にも沢山の関わりがあります。
話し出すとキリがないのですが、飛騨には多くの民藝同人がお越しになられ日本民藝館の所蔵品にも飛騨で作られたものが多くあります。
そして、残念なことに地元の人間はこのようなことはほとんど知りません。
民藝が好きで当店に足を運んでくださる方々でも民藝と地域の関わりを知るかたは少ないです。
民藝は民藝運動はどこか遠くで起こった運動ではありません。飛騨もそして皆さんが暮らす土地でも深く探ればなにかしらの関わりを見つけることができるものだと思います。
どうか願わくば美しい器や道具を使うことから、その先にある地域と美しさとの関わりやそれらと切り離すことはできない日々の営みや文化のことを知っていただきたい。
そう切に願っております。
お隣富山には棟方志功が疎開していた光徳寺や柳宗悦が美の法門を書き上げた城端別院があります。
長野では白樺派の残した多くの影響を見ることができます。
民藝は遠く九州や沖縄や山陰や益子でだけ起こったことではありません。
飛騨も多くの民藝運動の同人と関わりのある土地であり、それはどういうことかと言えば、柳宗悦が見出だした(民藝)という考えや理念・哲学に沿った美しいものや文化や人がこの地方に残っていたこと指しています。
現代ではどうでしょう?
僕はこれからも民藝を通して自分達の暮らす土地や文化のことを考えていきたいと思っています。
美しさや意義はどこかにあるものでなく、ここで見つけると決めて掘り下げて見つけるものです。
飛騨は美しいです。
しかし、その美しさの本質を暮らす僕らが見定めなければ、その美しさは僕の生きてるうちになくなるかもしれません。
僕は危機感を感じてます。
民藝は多面的な側面があります。
それはある意味で哲学であり信仰でもありますが、他のそれらと異なるのは日頃切り離してしまいがちなそういった問いかけを、器や道具といった暮らしの中に置くものを通して伝えている点にあるように思います。
今の日本人が忘れてしまった心的・神的な事柄と日常生活結ぶハブ的力が民藝にはあると僕は考えています。
固くなってしまいましたが民藝と触れあう絶好の機会です!是非日下部民芸館へ足をお運びくださいませ!!
0コメント