2017年の6月から始めた屋根裏のちいさな古本屋です。約千冊の蔵書のほとんどは、人文学・社会学に関するものです。

ぼくは義務教育のほとんどを不登校で過ごしました。みんなが「普通」だという「普通」がどうして「普通」なのか、そのことが理解できなくて、ずっと独学の道を歩んできました。

身近な人に聞いても、祖先について調べても、いつもどこか他人事でしたが、郷土史、民俗学、哲学、宗教、人類学、社会学…そんな本から本へ渡り歩く旅を続けていたら、気がついた時には、どんな話を聞いても、時代背景や、失われた情景を思い浮かべられるようになっていました。

「脈々と受け継がれてきたものとの弱いつながり」そんなものを感じられるようになったとき、ぼくはもう独りではなくなっていました。

やわい屋書店の蔵書のほとんどは、人文学・社会学に関する本です。ぼくにとってこれらの本は人生の教科書であり、そして、これからもずっとそうです。本に書かれたこと、本を書いた誰かを知ることで、ぼくは外側からぼくを見つけたのかもしれません。

この屋根裏の古本屋は、あの日のぼくが欲しいと望んだ場所です。だからもし、あの頃こんな場所があって、こんなに中途半端なのに楽しく生きてる大人に出遭えていたら、ぼくはもっとこの町を好きになっていたと思います。

だからこの屋根裏の古本屋は、いつかのぼくと、いつかのぼくのように、町に居場所が見つからない人のための、ちいさな隠れ家です。

みんなに本を読んでもらいたい 、文学者や詩人になるためではなく、もうだれも奴隷にならないように。   『ジャンニ・ロダ-リ』