No35:ミ-ンミ-ン。

僕らの生活は音で溢れている。

音は季節を知らせてくれる。

セミは人生の大半を地中で過ごし

ほんの数日地上に出て命を繋ぐ。

セミの短い命について思いを馳せる時

いつも手塚治虫の火の鳥を思い出す。

命とはなんなんだろう?

その価値は長短で決まるものなのか?

むしろセミの生涯は本当に短いのか?

セミのことがわからないように

僕らは他人の命について理解することは、できない。

それぞれの人生はとるにたらない物語だけど

長短に関わらずかけがえのないものだ。

ミーンミーン。

と鳴くセミの声

泣くではなく鳴くと呼ぶことを暖かく思う。


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