No:12 どすん。
ある日二百キロの鉄の塊が普通の宅急便で届いた。
「降ろすの手伝ってもらえませんか?」と言われた時
驚きを通り越し押し黙ったのを覚えている。
結局人力ではどうすることもできず、近所に助けを求めた。
普段冗談話しかしないおっちゃんは
話を聞くとごく当たり前のように重機を巧みに操り
田んぼで使う木の棒でひょいと鉄の塊を家の中まで運び入れた
その時の鉄の塊はいまこの家を暖めてくれている。
薪ストーブは普通の宅急便で送っちゃいけないと思った。
あるものを使う知恵を(ブリコラージュ)という。
人の知恵の神秘を思うとき
僕はいつもあの日の光景を思い出す。
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