色のついた影

溶けた雪の上に、うっすらと雪が降り積もりました。朝です。

朝の光が雪に反射して、家の奥まで明るく照らします。

それは、まるで人の心の奥までも照らすようで、実はほんの少し苦手です。

だけど、光にはいつも影が付き添います。透明なガラスは本当は透明じゃありません。

透明に見える心にも、ほんの少しの色や質感があって、それが影となって映ります。

他人が見ているのは、そんな写り込んだ影の方なんだと、時々そう考えたりします。


自然の光は、不自然な影を作らず、透き通った空気をそのまま運んでくれます。

”白い雪”と言いますが、実際には複雑な色をしています。

その機微な違いを見逃したくないなと思ったりします。


そういえば子供の頃は雪がもっとキラキラとして見えたものですが、最近はずいぶん違って見えていましたが、最近、息子を見ていて、その違いは目線の高さの違いなのかもしれないと思いました。

試しに、鼻に当たるくらい近づいてみたら雪は今も昔と変わらず、キラキラと輝いていました。

いつのまには見失っていて、それを失ったと勘違いしてるものがここにもあったことに気がつきました。


こうして背伸びをせず、その瞬間の美しさに心打たれるまま生きられたらなと、そう思うこの頃です。

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