瀬戸本業窯
この度ご縁をいただきまして、瀬戸市で約三百年前から日常使いの器を作り続けてみえる[瀬戸本業窯]の器を、やわい屋でもご紹介させていただけることとなりました。
思い返せば5年程前 民芸のことなどまだ意識していなかった頃、雑誌に載っていたこの石皿の美しさに惹かれたことが、僕が民芸の世界に傾倒するきっかけになりました。
(ひとつひとつ轆轤で作られ釉薬をかけられ焼かれるのを待つ器たち)
数百年続く窯の歴史の中で伝統に甘んじることなく常に時代に即した道具を作り続けられてきました。
先代の窯主6代目水野半次郎が柳宗悦等と交流を深めていた頃、瀬戸は工業化の真っ只中でした。日本でも有数の焼き物の街 瀬戸で民藝運動に賛同しその志を守ってきた窯は、瀬戸では本業窯の他にありません。
伝統と革新。
瀬戸本業には柳宗悦が書き残した書があります。
『古ルシ 泉ハ 新シ 水ハ』
どれだけ古い泉であっても、常に水は湧き続け、新しい水を湛えている。
この言葉こそ瀬戸本業窯の仕事を表す言葉であるといつも感じています。
(今は使われることのなくなった大きな窯、この窯ですら相当大きなものですが、裏の山にあった最大の窯では、一回の焼きに一ヶ月寝ずの番で火をくべ続けたそうです。本業及びその一帯は、全盛期の瀬戸の人々の熱を感じられる場所でもあります。)
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